ハノイの塔スキーム

概要
パラメータ

ハノイの塔スキームでは、次のパラメータを設定できます。

スケジュール

日単位週単位、または月単位のスケジュールを設定します。スケジュール パラメータを設定すれば、単純なスケジュール(単純な日単位スケジュールの例: バックアップ タスクが 1 日 1 回 10 AM に実行される)も、複雑なスケジュール(複雑な日単位のスケジュールの例: タスクが、1 月 15 日から 3 日ごとに実行される。指定された日には、10 AM から 10 PM まで 2 時間ごとにタスクが繰り返される)も作成できます。このように、複雑なスケジュールではスキームを実行するセッションを指定します。下の説明では、「日」を「スケジュールされたセッション」に置き換えることができます。

レベル数

2 から 16 までのバックアップ レベルを選択します。詳細については、以下の例をご参照ください。

ロールバック期間

アーカイブ内でいつでも戻ることができる保証されたセッション数です。スケジュールのパラメータと選択したレベル数に応じて自動的に計算されます。詳細については、以下の例をご参照ください。

バックアップの種類

各バックアップ レベルのバックアップの種類を指定します。

  • 常に完全: すべてのレベルのバックアップが完全バックアップになります。テープ ドライブがバックアップ先として選択されている場合、デフォルトで選択されます。
  • 完全/増分/差分: 各レベルのバックアップが異なる種類のバックアップになります。

    - 最後のレベルを完全バックアップ

    - 中間レベルを差分バックアップ

    - 最初のレベルは増分バックアップ

スケジュール パラメータが次のように設定されています。

レベル数: 4

バックアップの種類: 完全/差分/増分

このスキームのスケジュールの最初の 14 日間(14 セッション)は次のようになります。色のついたセルの数字はバックアップ レベルを示します。

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4

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3

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レベルが異なるバックアップは種類が異なります。

クリーンアップ メカニズムにより、各レベルの最新のバックアップのみが保持されます。次に、新しい完全バックアップを作成する前の日である 8 日目のアーカイブの状態を示します。

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4

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3

1

2

1

このスキームではデータ ストレージを効率よく利用できます。バックアップは現時点に近づくほど蓄積されていきます。4 つのバックアップがあれば、今日、昨日、半週前、または 1 週間前のデータを復元できます。

ロールバック期間

アーカイブ内で戻ることができる日数は、日によって異なります。保証されている最少日数はロールバック期間と呼ばれます。

次の表は、さまざまなレベルのスキームの完全バックアップとロールバック期間を示しています。

レベル数

完全バックアップの周期

復元可能日数

ロールバック期間

2

2 日

1 ~ 2 日

1 日

3

4 日

2 ~ 5 日

2 日

4

8 日

4 ~ 11 日

4 日

5

16 日

8 ~ 23 日

8 日

6

32 日

16 ~ 47 日

16 日

レベルが 1 つ増えると完全バックアップおよびロールバックの期間が 2 倍になります。

復元可能日数が異なる理由を確認するために、もう一度前の例を見てみましょう。

12 日目には次のバックアップがあります(背景が灰色の数字は削除されたバックアップを表します)。

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新しいレベル 3 の差分バックアップはまだ作成されていないので、5 日目のバックアップがまだ保存されています。このバックアップは 1 日目の完全バックアップに依存しているので、この完全バックアップも使用可能です。これにより 11 日前まで戻ることが可能になるので、これが最善のシナリオです。

ただし、次の日には、新しい第 3 レベルの差分バックアップが作成され、古い完全バックアップは削除されます。

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4

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2

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3

これにより、復元可能日は 4 日間のみとなるので、これは最悪のシナリオです。

14 日目の復元可能日は 5 日間です。復元可能日は再び減少に変わるまで後続の日にも増加していきます。

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2

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ロールバック期間は、最悪の状況でも保証されている日数を示します。4 レベルのスキームの場合は 4 日間です。