テクノロジー企業のレイオフとMSPの雇用機会

Acronis
Acronis Cyber Protect Cloud
サービスプロバイダー向け

ビジネス特化型ソーシャルメディアLinkedInをのぞいてみると、緑の枠と「Open to Work(仕事をさがしています)」というハッシュタグのついたプロフィール写真を多く見かけます。このハッシュタグは、本人には職を失ったことを意味することが多くありますが、サービスの拡大を目指すMSPにとっては採用のチャンスととらえることもできます。

テクノロジー業界の従業員の間では、これは人員削減の聴講であり、危機的な状況が続いているといえます。この業界のレイオフは、ドットコム・バブルが業界を破壊した2001年以来の高水準、という調査結果もあります。数多あるレイオフトラッカーは、日々増え続けるレイオフを追跡するのに精一杯の状況です。 

例えば、レイオフトラッカーのひとつLayoffs.fyiによると、2024年7月下旬の時点で380のハイテク企業が109,000人以上を解雇していました。2023年には、25万人以上の技術系従業員が職を失ったとのことです。

これはMSPにとって何を意味するのでしょう?簡単に言えば、今すぐ仕事を必要としている有能で経験豊富な候補者が採用市場に殺到するということです。何年にもわたって上昇を続けてきたITプロフェッショナルの雇用コストは、2023年初頭には横ばいに転じ、再び上昇する兆しはまだありません。MSPは今こそ行動を起こすべき時ですが、賢い方法を知っておく必要があります。

レイオフされた人を雇用する際に心配する必要がない理由

最初に理解しておくべきことは、ほとんどの解雇は従業員本人の成績とはほとんど関係がないということです。大量解雇の大半は、単にその企業が経営者または投資家の期待したような結果を出せなかったことが原因です。

レイオフが起こる理由はたくさんあります。2、3年前からCOVIDがビジネスに影響しなくなっている今、企業は需要の減退と従業員の過剰に直面しています。また、AIは申告に雇用を脅かしており、他にもインフレや不況の懸念、さらにはスタートアップの廃業といった要因もある。

MSPにとって「良い」ニュースは、解雇された従業員の多くが、サービスプロバイダーの間で需要のある職種に就いていたことでしょう。実際、2023年半ばまでにレイオフの影響を受けた従業員で最も多かったのはソフトウェアエンジニアで、対象従業員全体の20%近くを占めているという報道もあります。それ以降も多くの従業員がレイオフされ、その多くがまだ仕事を探していると推察されます。

レイオフされた優秀な社員を見つけ、惹きつけるには

MSPが採用すべき人材を見つけるためのヒントをいくつかご紹介しましょう。なにより基本的に重要なのは、リストラされた労働者に敬意と人間性をもって接することです。

オープンマインドを持つ

解雇されるのは必ずしも従業員の成績が理由ではないことを忘れないようにしましょう。3年間で6つの仕事を経験した人は、ジョブホッパーかもしれませんが、運が悪かっただけかもしれません。網を大きく広げ、候補者に状況をきちんと説明してもらう機会を設ければ隠れた逸材が見つかるかもしれません。

LinkedInの企業プロフィールを最新で魅力的なものにする

LinkedInなどの求人サイトやビジネス向けソーシャルメディアでは、偽の求人が横行しており、マルウェアの媒介となっています。LinkedIn(またはその他の仕事関連のソーシャルメディア)の企業プロフィールに、ビジネスの詳細、最新ニュース、チーム写真、プロフェッショナルなロゴを掲載し、魅力的なプロフィールを維持することで、人々にあなたが本物であることを知らせましょう。所在地と採用情報を知らせ、コーポレートWEBサイトがオンラインになっており、かつ最新の状態になっていることを確認しておきましょう。

ソーシャルメディアや求人サイトで積極的にアピールする

求人していることを頻繁に投稿し続けてください。募集要項や希望条件を明確かつわかりやすくし、投稿や広告に報酬の範囲などの情報を入れることも検討しましょう。

若手や経験の少ない人材の採用も検討

最近大学を卒業した新入社員はよく訓練され、熱心で、実績のあるプロフェッショナルよりも安く雇用できることもあります。経験豊富な人材を採用するよりも、経験の少ない若手を採用して教育するほうが費用を抑えられる場合もあります。

従業員を尊重する企業文化をアピール

解雇されることは、特にそれが予期せぬものであった場合、トラウマのような体験となるため、解雇された労働者は、新しい会社をリサーチする際に特に慎重になります。それだけでなく、若い世代の労働者は、雇用主が通常の福利厚生以上のもの、例えばワークライフバランスの提供などを期待しています。WEB上の採用ページでも面接でも、自社のこうした従業員への特典をアピールすることで、雇用主としての差別化を図ることができます。

急速に変化する雇用動向

ハイテク業界で相次ぐレイオフは、すぐに収まる気配はなさそうですが、雇用動向は多くの経済指標と同様、予測が難しいことで知られています。バーナンキ元FRB議長が、経済政策を立てることを、バックミラーを見ながら車を運転することに例えたのも不思議ではありません。

そのため、MSPは昨今のレイオフを人材発掘のチャンスと捉えるべきです。不運な状況や個人の不幸が重なってレイオフが発生しても、実際にはMSPと求職者の双方にとってプラスになることもあります。

アクロニスについて

アクロニスは2003年にシンガポールで設立されたスイス企業です。アクロニスは、世界15か所のオフィスと50カ国以上で拠点を擁しており、Acronis Cyber Protectソリューションは150カ国に26言語で提供され、2万社を超えるサービスプロバイダーで利用されており75万社を超える企業を保護しています。

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