クラウドストレージサービスの長所と短所

Acronis
Acronis Cyber Protect Cloud
サービスプロバイダー向け

会社を経営する責任は負っていても、従業員がそれぞれのコンピューターや他のデバイスに保存しているデータの量については、それほど考えたことはないかもしれません。その点についてはほとんどの従業員も同じで、自分が考えているよりもはるかにたくさんの重要なデータを PC やスマートフォンに保存していることでしょう。

企業データのなかにはとりわけ重要なものがあり、そのようなデータはすべて、(必要ないと判断されるまで)企業が保存しておく必要があるでしょう。

ここ数年で、クラウドストレージサービスの人気がかなり高まっており、さまざまな企業規模に応じたファイルストレージ媒体が登場しています。そのため、この記事では、クラウドストレージサービスの長所と短所について考察し、本当にあなたの会社のバックアップニーズに適しているかどうか(あるいはより堅固なバックアップソリューションが必要かどうか)を考察します。

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クラウドストレージの基礎

インターネットには、クラウドストレージについての膨大な量の技術定義が溢れています。クラウドストレージとはつまり、ユーザーがネットワーク(通常はインターネット)を通じてアクセスできるリモートサーバーにデータを保存する、プラットフォームにすぎません。クラウドストレージサービスでは、ユーザーにサーバーをホスト(提供)することで、ユーザーがクラウドにファイルを保存し、必要に応じてアクセスや共有ができるようになっています。クラウドストレージサービスでは、プロバイダーが無料で、あるいはわずかな年額/月額料金でサービスを提供しています。多くの場合、クラウドストレージサービスには無料サービスと有料サービスの両方があります。

クラウドストレージが大人気

従業員はコンピューターやスマートフォンを使って日常の業務を行っているので、そのようなデバイスに保存されているデータの量が急増しています。その結果、ドキュメント、動画、PDF、その他のファイルが膨大な量になり、ローカルドライブやメモリーカードに保存できなくなってしまっています。そのような事情があるため、高価なハードドライブやその他のストレージデバイスを購入せずにファイルを保存する方法を、たくさんの企業が求めていました。そこにクラウドストレージサービスが登場し、高価なファイルストレージハードウェアに代わる無料または低価格のサービスを提供するようになっています。

クラウドストレージが人気の高いオプションである理由

クラウドストレージはファイルをオンラインで保存するための比較的簡単な方法です。また、多くのクラウドストレージサービスは、サービス料金が比較的安価です。もっとも、企業が自社のストレージニーズに見合ったクラウドストレージサービスプロバイダーを求める理由は、他にもたくさんあります。本セクションでは、企業のあいだでクラウドストレージサービスの人気が高くなっている理由についていくつか説明いたします。

ファイル保護の強化

会社や組織がデータ保護を必要としている場合、ファイルコピーを複数保存することが、あらゆるバックアップ戦略で最も重要なこととなります。USB スティックや外部ハードドライブにファイルのコピーを保存するのは最初の一歩としては悪くないのですが、ファイルを社外に保存するのも重要です。クラウドストレージサービスでは、チームメンバーがファイルのコピーをオンライン保存できるので、ローカルコピーに事故(火災、洪水やその他の災害など)が起こっても、重要なデータをダウンロードするだけですみます。

手頃な価格

クラウドストレージサービスは、ファイルをオンラインで保存するためのお手頃なオプションである、と前に述べました。では、どれほどお手頃なのでしょうか? 莫大な量のファイルをオンラインで保存する必要がなければ、限られた保存容量をまったく無料で提供するクラウドストレージサービスが多くあります。企業がさらなる容量や機能を必要としている場合には、ほとんどのプロバイダーがわずかな年額または月額料金のプレミアムサービスを提供しています。すべての有料クラウドストレージサービスが安いわけではありません。会社内に再度作成できない、または代替えの出来ないファイルがある場合には、ほとんどのサービスは妥当な価格だと思えます。

アクセシビリティ

クラウドストレージサービスの最も便利なところは、ほぼどこからでも保存されたファイルにアクセスできることにほかなりません。ノートパソコンやスマホを忘れて外出してしまっても、問題ありません。インターネット接続のあるコンピューターやモバイルデバイスを利用できれば、ファイルのダウンロードが可能です。クラウドストレージサービスプロバイダーのウェブサイトにアクセスし、ユーザー名とパスワードでログインして、必要に応じてファイルをダウンロードすればいいのです。通常、これらはとても簡単にできます。

ファイル共有

クラウドサービスには便利な機能がたくさんありますが、とりわけ便利なのが共有です。同僚とドキュメントや PDF を共有するのは、簡単です。クラウドストレージサイトのファイルへのリンクを送信すればいいだけです。クラウドストレージサイトによっては、ファイルの共有を手動で行わなければならない場合もあります。共有を設定すれば、あなたとリンクを共有した人物はウェブブラウザを使用して共有ファイルにアクセスできるようになります。

コラボレーション

すべてのクラウドストレージサービスがコラボレーション機能を提供しているわけではありません。ただし、コラボレーション機能を提供しているサービスがあれば、オンラインファイル共有をまったく新しいレベルに高めることができ、同僚やチームメイトと一緒に同じファイルで作業することも、実際にできます。やり方はサイトによっていくらか異なりますが、コラボレーション機能によってファイルを共有すれば、他の人がファイルを編集することができ、クラウドプロバイダーのウェブサイトで変更を保存できます。あなたや同僚や仕事仲間が別の場所で仕事をする際には、この機能はとりわけ便利です。

ファイル同期

多くのクラウドストレージサービスでは、アプリケーションをダウンロードすれば、コンピューターとクラウドサーバーのあいだで特定のファイルを同期できるようになります。そのようなサービスのなかには、モバイルデバイスとストレージサイトのあいだでファイルを同期できるものさえあります。同期アプリケーションがあれば、コンピューター上で所定のフォルダを選択し、そこにクラウドストレージサーバーで自動更新したいファイルを保存します。「同期」フォルダのファイルを編集する場合、新しいバージョンのファイルを手動でアップロードしなくても、ファイル変更部分はクラウドストレージサイトに自動的に保存されます。

ベストのクラウドストレージサービスは?

これらのサービスでクラウドストレージサービスを使用した場合の最大のメリットを、いくつか挙げてきました。クラウドストレージサービスのなかには、より多くの機能や価値を用意しているものもあれば、それほどでもないものもあります。企業向けの使いやすく、信頼できるクラウドストレージを提供していると言っても、サービスに優劣が生まれるのは当然のことでしょう。

ただし・・・クラウドストレージはバックアップソリューションの一部にすぎません

ベストクラウドストレージサービスは多くの機能を提供しています。一見したところでは、クラウドストレージサービスはあなたの会社のバックアップニーズに適したソリューションであると思えるかもしれません。しかし、クラウドストレージだけではデータセキュリティと冗長性が十分に確保できない可能性があります。急いでクラウドストレージサービスにサインアップする前に、その理由をいくつか見ていきましょう。

同期フォルダ以外では冗長性がない

ほとんどのクラウドストレージサービスが提供する同期アプリケーションでは、コンピューターやデバイスで行ったファイル変更が、自動的にストレージサーバーに反映されます。ただし、それは同期フォルダでファイルを編集した場合に限られます。同期フォルダ以外のフォルダにファイルを保存している場合、手動でファイルをアップロードしない限り、変更部分はクラウドストレージサーバーには保存されません。

暗号化とセキュリティについての懸念

近頃、ほとんどのクラウドストレージサービスでは、ファイルのアップロードとダウンロード時に「https」プロトコルで暗号化されたデータを転送しており、これにより、通常は中間者攻撃やその他のファイルインターセプション技術からデータを保護できます。また、ほとんどのクラウドストレージサービスでは、ファイルをサーバーに保存するときにも、ファイルを暗号化しています。クラウドストレージプロバイダーが行っている、保存時の暗号化では、あなたではなく、プロバイダーが暗号解読キーを所有することが大きな問題になっています。この状態では、ログイン認証情報さえあればファイルの表示や編集ができるということになります。クラウドストレージサービスがキーを所有している場合には、ファイルをサービスにアップロードする前に他の暗号化アプリケーションを使わないかぎり、あなた自身でデータを暗号化することができません。

限られた自動化

クラウドストレージサイトでは、自動化は限定的で、特定の「同期」フォルダにファイルをアップロードしないとできません。これでは、従業員が(同期フォルダに保存されていない)その他のファイルのコピーを自身のデバイスやシステムに保存する必要がある場合、手動でアップロードしなければなりません。従業員が同期フォルダにファイルを移動させず、手動でのファイルアップロードを忘れた場合、そのデータのオンラインバックアップは作成されません。

同期フォルダ内での削除

同期は確かに最も便利なクラウドストレージの機能の 1 つですが、最も危険な機能でもあります。ある従業員がデバイス上で同期フォルダからうっかりファイルを削除してしまった場合、そのようなファイルはその従業員のアカウントに接続されているすべてのシステムやデバイスから自動的に削除されてしまいます。スマホやタブレットでファイルを間違ってタップしてしまうことがどれほど頻繁にあるのかを考えると、同期は慎重に使用しなければならない機能であることが簡単にわかります。

Acronis Cloud のメリット

クラウドストレージサービスは便利な機能を備えている一方で、バックアップや重要なビジネスデータの保護では必ずしも最良の選択にはならないということに、そろそろ気づいていただけたと思います。しかし、Acronis Cyber Backup のような、より強固なクラウドバックアップソリューションは、クラウドストレージサービスのベストな機能をすべて備えているだけでなく、従業員全員のデバイスとシステムに保存されているデータの保護を保証する、より多くの機能も備えています。

Acronis Cyber Backup が企業により適したソリューションである理由

Acronis Cyber Backup では、セキュアに暗号化されたクラウドデータバックアップを保存できるだけでなく、ほぼすべての種類のドライブやストレージデバイスでも、ローカルでバックアップでの保存ができます(ローカルバックアップの暗号化も可能)。それだけではなく、Acronis Cyber Backup には、バックアップデータのセキュリティ強化とミリタリーグレードの暗号化以上の機能が備わっています。高く評価されているバックアップソフトウェアがあれば、プレミアムな、類を見ない機能も利用できます。以下に、ほんの数例をご紹介します。

ご覧の通り、クラウドストレージサービスは、(便利ではあるものの)Acronis がもたらすデータ保護レベルとは比べものになりません。あなたの企業がデータを活用して仕事を成し遂げようとしているのなら(もちろんそうだと思います)、まず 無料30日トライアルをお試しいただき、Acronis Cyber Backup が世界中の 50 万以上の企業から選ばれているデータ保護ソフトウェアである理由を、ご自身でお確かめください。

アクロニスについて

アクロニスは2003年にシンガポールで設立されたスイス企業です。アクロニスは、世界15か所のオフィスと50カ国以上で拠点を擁しており、Acronis Cyber Protectソリューションは150カ国に26言語で提供され、2万社を超えるサービスプロバイダーで利用されており75万社を超える企業を保護しています。

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