Acronis #Cyberfit Day パートナーカンファレンス開催

Acronis Cyber Disaster Recovery

―アクロニス・ジャパンの新戦略とそれを支えるソリューションを紹介

2019年7月26日に開催されたAcronis #CyberFit Dayの第2部はパートナー様向けのカンファレンスとなりました。新しく代表取締役に就任した嘉規 邦伸がアクロニス・ジャパンの新しい戦略について講演をした他に、3名のスピーカーから、それを支えるAcronisのサイバー・プロテクション・ソリューションと新しくリリースされるAcronis Cyber Cloud 8.0と製品のロードマップを紹介しました。

■3本の柱でパートナーを拡大、ビジネスの成長を図る

第2部では、まず初めに、6月1日付でアクロニス・ジャパンの代表取締役に就任した嘉規 邦伸が「アクロニス・ジャパンの新戦略」と題して講演しました。嘉規は「前職のBox Japanのパートナー事業責任者で、パートナープログラムをゼロから立ち上げました。アクロニスでも、同じようにパートナーを増やしていきたいと考えています」と述べました。アクロニス・ジャパンは、プラットフォームの提供、エコシステムの構築、クラウドシフトの加速の3つをビジネス戦略の柱として、様々なソリューションを提供できるパートナーを増やしていく考えです。

図1.新しいビジネス戦略の3本の柱

1つ目のプラットフォームの提供では、アカウント管理、監査、提供機能管理、リセラー管理、利用レポートなどの機能を統合、API/SDKとして提供するAcronis Cyber Platformを2019年10月にリリースします。「パートナーはAPIとつなぐことで、初期投資を負担せずに、アカウント管理やブランディングなど独自のサービスが展開できるようになります。その上で実装はアクロニスがすべて行うAcronis Hosted、パートナーのデータセンターを使い、アクロニスが管理するHybrid、すべてをパートナーが行うPartner Hostedから選ぶことができます。またロゴ、画面配色、サポートサイトなどのURLを変更できるホワイトレーベルも提供します」(嘉規)。

2つ目のエコシステムの構築では、あらゆるパートナーとのソリューション連携を豊富なAPIで容易にしていきます。これによって、各サービスの付加価値を高め、SIerのサービス構築を加速するパートナーエコシステムを構築する。3つ目のクラウドシフトの加速では、あらゆるデータをクラウドで管理することで、従来のデータに加え、エッジコンピューティングなどの膨大なデータの効果的な活用ができるようにします。「クラウドパートナーを拡大し、オンプレからクラウドへ、売切りのライセンス販売からサービスへの移行を促進していきます。そして、現在50社のクラウドパートナーを2021年度には500社に拡大していく計画です」(嘉規)。そのために、アクロニスパートナープログラムを刷新、ビジネス拡大に向け、より強固なパートナーシップを目指し、営業支援や技術支援に力を注いでいく計画です。

■マルチティアでプラットフォーム機能を提供

次にアクロニスの新戦略を支える「Acronisのサイバー・プロティション・ソリューション」について、アクロニス・ジャパンの佐藤 匡史が講演しました。冒頭、佐藤は「Acronis Cyber Cloudのプラットフォーム機能をパートナーに活用してもらうために、全社一丸となった取り組みを進めます」と強調しました。プラットフォーム機能ではマルチティアで商流に応じた1次店、2次店の階層構造の設計や単価、台数などの設定を行うことができます。またマルチテナントでユーザーアカウントに紐づけられ、それぞれ独立、サービスは選択が可能で、ホワイトレーベルで提供が可能です。

Acronis Cyber Cloudの提供サービスの第1がAcronis backup Cloudです。一般的にクラウドバックアップはデータをオンプレミスからクラウドに転送しますが、アクロニスはバックアップサービスを提供します。「マネジメント機能をインターネット経由で使い、データは転送前に圧縮、暗号化され、超効率、極めて安全にデータ転送を行います。加えてデータセキュリティを担保する最先端機能Acronis Active Protectionが実装されており、アクロニスのバックアップアーカイブへの攻撃、ソフトウェアになりすます攻撃もブロックします」(佐藤)。

第2が従量課金でDRを簡単・安価に提供するAcronis Disaster Recovery Cloudです。アクロニスのクラウドに預けたバックアップデータを直接読み取り、復旧用マシンとして起動します。数分でクラウド上にフェイルオーバーが可能で、中小零細企業や業務サーバーなどの用途で効果的に使えます。第3がドキュメントや画像などのコンテンツを統合的に管理するAcronis File Cloudです。各拠点、外勤、別会社間で安全かつ高速にデータの転送ができ、モバイルデバイスからも簡単・高速にアクセス可能です。Officeファイルの編集機能とPDFファイルの注釈機能も搭載します。

第4がブロックチェーンを活用したAcronis Notary Cloud(アクロニス公証)です。「ブロックチェーンは非中央集権/分散型で正しいデータを全員が共有します。データをチェーンで紐づけていくので、改ざんにはすべてのブロックと分散する全ノードを変更しなければならないため、実質的に不可能です」(佐藤)。Acronis Notary Cloudは個人、企業はeコマース、金融、IoTその他あらゆる分野で、低コストでブロックチェーンを活用、データが改ざんされていないことを証明します。音楽、画像、文書、アプリデータを問わず、全てのデータで利用可能で、特殊な技術により、高速な公証ができます。国をまたいでも共通でどこでも使えるので、デジタル化された重要な情報の公証に最適です。

■安全とアクセシビリティを強化したAcronis Cyber Cloud 8.0

最後に「Acronis製品ロードマップ2019年&Acronis Cyber Cloud 8.0のご紹介」と題して、アクロニスのプロダクトマネジメント部門 デュプティ・バイスプレジデント ユーリ・アベルキエフが講演しました。Acronis Cyber Cloudは2019年第1四半期にOffice365、第2四半期にG Suiteのバックアップをサポート、10月にVer8.0をリリースします。アベルキエフは「Ver8.0では安全とアクセシビリティを主に強化しています。3つのエディションを新たに用意することで、パートナーはStandard Editionからより高度なAdvanced Edition、DRをバンドルしたDisaster Recovery Editionへのアップセルが可能になります」と述べました。

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図2.Acronis Cyber Cloudの概要

Ver8.0では従来オプションだったAcronis Disaster Recovery CloudをAcronis Backup Cloud に統合、ライセンス体系が簡素化され、エディションの選択・設定もテナント単位になって、より使いやすくなりました。また管理コンソールの機能も拡張、ダッシュボード/レポートに新規ウィジェットを追加、セキュリティ強化のためログインに2段階認証を採用しました。

その上で、Advanced Editionではデバイスのグループ管理、バックアップ計画の集中管理、Microsoft SQL Server、Microsoft Exchange Serverのクラスタや、SAP HANAのバックアップ、ORACLEデータベースのバックアップに対応しました。一方、Standard Editionではバックアップウィンドウ設定を追加、Startup Recovery Managerでレスキューメディアやネットワーク接続なしで、OSからの起動ができない際にマシンの復元ができるようにしました。さらにHyper-V上の仮想マシンのアプリケーション保護とVM Finalizationにも対応、バックアップファイルの非改変証明(ノータリゼーション)などの機能拡張を行っています。「Acronis Disaster Recovery Cloudではバックアップの暗号化パスワードの管理、複数のネットワーク接続への対応、VPNなしの導入オプションの追加、目標RPOの達成度のトラックが新機能としてサポートされました」(アベルキエフ)。

続いて、2019年10月にベータ版、2020年第1四半期に正式リリースされるAcronis Cyber Cloud 9.0のハイライトを紹介いたします。Acronis Backup Cloudではバックアップデータへの閲覧権限のみ保有するロールを新設、Microsoft SharePointに対応します。Acronis Disaster Recoveryはアクロニスブランドのアプライアンスを発売します。またAcronis Notary Cloud 9.0はゼロトラストコンソーシアムのブロックチェーンに対応します。さらにAcronis File CloudはAcronis File Protectに製品名を変更、新たにデータ保護とセキュリティ機能を追加します。

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図3.Acronis Cyber Cloud 8.0ハイライト

Ver9.0でアクロニスはバックアップとセキュリティ、管理を統合したAcronis Cyber Protectを提供します。エンドポイントはすぐに攻撃の対象になりやすいにもかかわらず、従来の対策では複数の製品を導入する必要があり、効率が悪く、安全性が高くないという問題がありました。「Acronis Cyber Protectはオールインワンのデータ保護とサイバーセキュリティ・ソリューションを提供、顧客のインフラ及びデータの保護を実現します。これによって、パートナーは顧客のSLAを向上させ、マネージドサービスプロバイダーとしてビジネスを行うことができます」とアベルキエフは強調しました。

アクロニスについて

アクロニスは2003年にシンガポールで設立されたスイス企業です。アクロニスは、世界15か所のオフィスと50カ国以上で拠点を擁しており、Acronis Cyber Protectソリューションは150カ国に26言語で提供され、2万社を超えるサービスプロバイダーで利用されており75万社を超える企業を保護しています。

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